Act. 0  Prologue




 

「水平線は海なの、それとも空なの?」



父は朗らかに笑った。

「どちらも、さ。あれは海でもあり空でもあるんだ」


母は少し考えてから呟いた。

「同時に、どちらでもないとも言える。境界線はどちらにも含まれないからね」


祖父母は興味深そうに遥か彼方の青い境界線を見つめた。

「水平線とは何ぞや。大変哲学的だ。どちらでもあり、どちらでもない」

「中華連邦には、海天藍<ハイティエンラン>という言葉があるそうですよ。その意味は…」















水平線の、
















私は未だにそれがどんな色なのか知らない。

 



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12/17/06 First Up