『放課後の放送の時間でーす!皆さん今日もいちに…あれ、会長?またなんかやるんですか?はい、電源なら入ってますよ、いやあの、音量ならもう十分大きくなってますから、それ以上大きくするとうるさいと思うんですけど、って会長聞いてます?きいてませんね…
ハァーイ、生徒会長のミレイ・アッシュフォードです。ハッピーセントバレンタインズデー!みんな、ちゃんと大切な人への贈り物は済ませたかしら?』
「今日、全校への連絡事項なんてあったっけ…?」
「会長、相変わらず元気ねー」
『さあて、ところ違えば習慣は違うもの。郷に入れば郷に従え。というわけで、今日はイレブンのバレンタインデーについて解説するわね。イレブンにおいてバレンタインズデーとは、なな、なあんと、好きな人に告白する日なんですって!愛を託すのは甘いチョコレート、たったひとつ、願いを込めたチョコレートに乗せて伝える甘いだけじゃないこの思い!』
「会長、詳しいね…」
「の入れ知恵に決まってるだろ。あの二人が組むと碌なことにならないんだ」
「お代官様と越後屋、みたいなものかな?」
「…なんだそれ」
『ロマンチックよねー。というわけで、そのロマンチックさにあやかりたいと思った私は、生徒会メンバーに本日のチョコレート持参命令を出したわけなんだけれど。こんなロマンチックなイベント、私達だけで味わうのは、もったいないと思ったのよ』
「は?」
「え?」
「え、えぇ?」
「…ちょっと待て。」
「…?」
「…はぁ…ほんと、ミレイちゃんはこういうの大好きなんだから…」
「さあて、何をやらせてくれるのかな?」
『ねえ、みんな。生徒会メンバーの本命チョコ、欲しくない?』
…。
『欲しいものは、追いかけて捕まえてでももらわなきゃ、と思わない?』
・・・。
『ただいま三時二十九分。三十分よりジャスト一時間がリミット。お目当ての生徒会メンバーを追いかけて、捕まえられたらその人の本命チョコはあなたのものよ。ついでに、ひとつなんでもお願い権までつけちゃう!会長権限ね、これ!!!』
「な」
「ん」
「で」
「す」
「と」
「「「「「!?」」」」」
「あっはっはっはっはっは、そーきたかミレイ!」
「今日は追いかけっこかぁ…」
『ちなみに私ももちろん参加よ。女の子達の手作りを狙うもよし、お店でいい年してチョコ買った苦労に報いて男子を狙うもよし。さあ、
戦え、生徒諸君!愛に殉じた聖人の名にかけて!』
「会長の手作りチョコ、絶対ゲットしてやるっ…!」
「…本当に、碌なことにならない…」
「ようするに僕たち、逃げなくちゃいけないってことみたいだね」
「らしいな…」
「一時間…結構長いな…」
「えぇ?!ちょっとまってよ、私まだっていうかもう水着なのに!」
「こ、れ、だ、か、ら、ブリタニアはぁぁっ!」
「さーてと、頑張って逃げるとしますか」
『3、2、1、スタート!』
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2/14/07 First Up